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近況

 ほぼ一年ぶりの更新です。
 中の人はSF系イベントには出没していましたが、SF研としては活動らしい活動はしていませんでした。

 人もいないし、就職活動あるし、もうやめようかなと思いましたが、諸事情によりあと数年は大学にいることになりそうなので、細々と続けていこうと決めました。

 ただ、人がいないと例会もできない(する意味もない)ので、その場合はイベントのレポートやなんかが更新の中心になると思います。

 Twitterのアカウントは消していませんが、ROM専と化しています(リプライがあれば対応します)。

 それと、今まで使っていたメールアドレスが使えなくなったので、新しいものを載せておきます。
 neuromancer_cybernetics☆yahoo.co.jp(☆を@に変えて下さい)

 中の人は今年もSFセミナーで昼企画を担当してます。
 面白い企画にするべく頑張っておりますので、ご期待下さい。
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近況とか京フェスとか

SF研の活動とは関係ありませんが、先週土曜のSFファン交流会に来てくださった方々、ありがとうございました。

代表の芒は、受付やお茶くみなどをしていた変な大学生ですので、お見知りおきを。

当日はスタッフ二名で中々忙しかったので、途中の机移動や後片付けにご協力頂き助かりました。

様々な食に関するSFを紹介して頂きましたが、その辺りのレポートはファン交の方であるかなと思うので、とりあえず自分が紹介した本を簡素に紹介しておきます。

深堀骨「アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記」収録の「闇鍋奉行」です。

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時は遡って江戸時代、寺社奉行や勘定奉行、町奉行と同じように鍋奉行が存在し、江戸の町の鍋を取り仕切っておりまして……という短編で、主人公で東鍋奉行である田々口肥後守午於が老中に命じられて、勝手に鍋に変な具(蟇蛙とか泥亀とか果ては使い込まれた張形まで)を突っ込み、『闇鍋奉行 見参』とメッセージを残して去るわ、鍋奉行にのみ伝わる秘伝のタレを盗むわ、とやりたい放題に暗躍する闇鍋奉行を捕まえることを命じられる。

そういう馬鹿っぽい短編で、最初読んでいるとどこがSFなんだよ!と思いますが、後半、サイボーグ?遠山の金さんが正体を現して、謎の武器や強化された身体能力で悪漢どもを次々と虐殺するくだりを迎えると「ああ、確かにSFだな」と思えます。

わけの分からん展開ながら、ぐいぐいと引き込まれるストーリーテリング能力は一見の価値ありです。

同書に収録の他の短編も実に面白いので、秋の夜長に一つ、この奇妙な短編集でも如何でしょうか?



話は変わって来月の京フェスですが、本会は観客として楽しみつつ、合宿企画ではファン交の出張企画の方で色々お手伝いしていると思われます。
初めての京フェスなので、少し緊張しますが、しっかりと楽しんでこようと思います。
また、レポートを上げるかは分かりません。
正直言って、長い記事をいくつも書く余裕が無いということが、皮肉にもSFセミナーの段階で証明されてしまったからです(言い訳)。

簡単な感想くらいなら上げられるといいなあと考えつつ、10月に思いを馳せています。

SFセミナー2012 ①「三島浩司インタビュー」

今年は去年以上に更新が遅くなってしまいましたが、その分内容は濃い目で行きたいと思います。

一応、本会の目録通りにレビューします。

一発目は「三島浩司インタビュー」

出演:三島浩司  聞き手:三村美衣

※芒はスタッフとしてしばらく外で受付を手伝ったりしてましたので、実は最初の20分くらいを聞き逃しております。その分は合宿の方の内容を書き足して穴埋めいたします。
 あと「」内の発言はあくまでも記憶と即興のメモに基づいていますので、必ずしも正確ではありません。

会場にいた皆さんにはSFセミナーのプログラムと一緒に『神は賽を投げない』というタイトルで三島先生のレジュメが配布されていました。

僕が会場に入った時がちょうどその話が始まったところ。

フィクション作品に現実味を持たせる手法として、三島先生は人間心理と確率論を使って読者に与える影響をコントロールしているそうです。

例えば、「サイコロを降って、1111111111が出る確率も2356113545が出るのも数学的には同じだが、人間はぞろ目に神秘性を感じてしまい、出るわけがないと思いこんでいる。そうした人間心理をついてむしろそれを崩して書く」ということらしいです。

聞いてみれば、ふむん確かにという感じですね。

ちょっと面白かったのが、三島先生が例に挙げていたダイナミックフィギュアの登場人物が警官に暴行を受けるシーンについて。

まずは背負い投げをされる。その後は普通なら馬乗りになって殴るとかがありそうですが、このシーンではさらにもう一度背負い投げを掛けている。

別にもう一度背負い投げをしてはいけないなどという法は無いわけですが、読んでる方としては「あれ?なんでまた背負い投げ?」となるわけで、三島先生はこのズレの演出を狙っているそうです。

さらに「僕には文才がないので、アイデアをぎっしり詰め込みしないといけない」なんてことをおっしゃっておられましたが、没原稿まで含めると物凄い文量なんて話や大量のアイデアをこれでもかと詰め込む手法を見る限り、才能がないんじゃなくて、才能に頼らず努力してるってことなんじゃないでしょうか。

どうも三島先生はどこかで「キャラクターが喋るのが僕の作品の魅力」なんてことをおっしゃってたんですが、途中で「やっぱり撤回します」の一言で会場は一瞬笑いにつつまれたり。

そして、三島浩司作品の不思議なところ、何故登場人物をフルネームで記述するのか? についての質問が出ました。

その答えは?

「僕の作品は登場人物が結構多いし、読んでる途中で名前を忘れてしまって数ページ前とか見直すのは読者は面倒臭いと思って。僕も嫌ですし」

どんな凄い秘密があるんだろうと思って固唾を呑んで聞き入っていた聴衆は爆笑。

確かに親切です。結構、シーンが飛んだりも多いし、視点人物の変更も多いので確かに分かりやすいですね。

しかし、三島先生曰く「これからはやめる」だそう。

この後も三島先生は「これからはやめる」と結構色んなとこで言われてるので、どこまで本気か良く分かりません

三島先生の文章には飛躍した比喩が使われる場合があって、ちょっと分かりにくかったりしますという会場からの意見には「意識してるわけではないです」との答え。

しかし、三島先生曰く「大阪人だからというわけではないが僕はお笑いには厳しい。お笑いの中でも落ちに落差をつけないといけないと思うんです。だけどあんまり落差を大きくし過ぎると観てる方はついて来れなくなる。でも僕が好きなのは落差が大きいものなんです。自分の作品の中ではちょっと気をつけようとは思ってます」

補足として、分からない部分は読者は2、3ページ以内に知りたいが、三島先生の文章では次の章に飛んでいたりするし、登場人物が多いから、そのときの視点人物の知らないことは書けないというジレンマもあるそう。

そんな小説の構成についての悩みのあとは、新作についての情報!

新作はタイムトラベラーものとのこと。

なんでも「たぶん誰も考えていなかったアイデアを持ち込んでいるので面白いと思います。現実的な方法かどうかという点についても超越してしまっていると思う」だそう。

新作情報のあとは、ダイナミックフィギュアも斬新な作品だったが、そこら辺も意識していたかどうかについて。

「ロボットもの既存の設定を無理して避けることもわざと使うこともせず、必要なものは使うし、必要でなければ使わないとした」そう。

ただし、「何かを参考にしたりは特にしないようにした」とのことでした。

三島先生の執筆ペースについては、三村さん曰く「出てる本的には遅筆に見えるが、書き直しとか含めるとものすごい分量なので、むしろ早いかも」とのこと。

三島先生も「今後は一年に一冊ずつくらい出せればと」とおっしゃられていましたので、これからは年一ペースで斬新な三島作品を読めるかも!


これ以降は合宿企画での話

三島先生の作品の一つのテーマとしてあるのは「自尊心をくすぐる物語」だそう。これを物語性として盛り込んであるから、僕らみたいな若い世代の共感を呼べてるのかなーとか思いました。

作品の細かい部分での話。

台詞回しでリズムをとるようにしているとのこと。

例えば、「西に七門、東に五門……」などこれは砲門についての台詞だったと思いますが、こんな細かい部分なんかでもちょっとしたリズムを考えていらっしゃるそうです。

なんでも、小さい頃にピアノとかエレクトーンとか習っていた影響で、台詞なんかもリズムにこだわってしまうんだそうです。

ネタバレ?かどうか微妙なトーク。

なぜダイナミックフィギュアのペイントを花鳥風月にしたかという話。

(たしか)卜部が、キッカイは自然に対して恐怖を感じるんじゃないかと思ってそうしたということらしいです。だからボディに書いている。
その他にも細かな理由づけとか書いてない裏設定が多くて、全部は使ってないんだそうです。

三島先生曰く「100パーセント出してもさらに30パーセントあるような作り方。メッセージ性はつねに頭に置きつつ、まず設定を大前提にする」とのことです。

ここら辺で飛行機で東京までいらっしゃった(んだと思う)三島先生はさすがにお疲れのご様子で、少々アルコールが入ってるせいもあるのか、顔色が悪くなってきて少し心配に。

ダイナミックフィギュアがロボット単体で独立して戦闘するのではなく、偵察機やパイロット・オペレーターと複数が有機的に合わさった系のようなものとして運用される理由について。

「ロボットは単独で動かすことはできないんじゃないか。サポートは必要不可欠であろう。パイロットの判断だけで戦うのは現実的には不可能だろう。上空からの情報支援とかが必要だろう。十代二十代の青少年が自分の判断だけで戦うのは無理じゃないか」と色々と考えれば考えるほどこのシステムじゃないと駄目だと思ったそうです。

作品の中でまだ自分の中で納得できてない出来の部分はどこかという質問には「自分では無理のあるやり方はやってないと思う。わりと納得した出来です」と自信ありげなお答え。

ちょっとした用語の解説も。

出撃を出獄なのはなぜか、という質問には「ちょっとうまくいってないかも」って、いいんですかそれで。

でも、許可を出さないと発進できないということからも、母船(のようなもの)であるパノプティコンがベンサムの考え出した全展望監視システムを意味することからも、このネーミングは必然だったようです。

担当編集Iさん曰く「出所じゃなんだか締まらないでしょ」皆さん笑ってらっしゃいました。

主人公の名前については「名前は意識的にしてなかったのに奇跡的にラストと合致した」そうです。

何がどう一致してるのか知りたい方は本編を読んで下さいね。

この奇蹟的な一致に三島先生は「僕は天才かな(笑)」

何でも日本語で名前をつけるとあ段になりやすいらしいんですが、少しの感覚をずらすためにネーミングはあ段を避けるようにしてるそう。

さらに話は先日完全版が出たシオンシステムへ。

実は僕はまだシオンシステムを買ってすらいませんので(申し訳ない)、話を聞いてはいても誤解してる部分があるかも知れません。

ただし、その場でも読んでる方が非常に少なかったので、シオンシステムの紹介みたいな感じで進んでいきました。

シオンシステムのアイデアはもともとはロボットもの用に考えていたネタとのこと。

人間をロボットに寄生させるというアイデアが元だそうです。

表題にもなっているシオンシステムとは生命維持装置のこと。

竹取り物語とリンクしてくるとのことですが、ごめんなさい全然分かりません。

「生の状態で、人間を宇宙に送れないか」おおSFぽい発想、この時点シオンシステム読みたくて仕方なくなってきました。

完全版は徳間版からかなり改善されているとのこと

なんでも、解説も書いてらっしゃる八代嘉美さんが色々とチェックを入れて修正したとのことです。

テーマとしては、人間と寄生虫の関係における主客の転倒。

寄生虫SFというのも中々に珍しいですよね。三島先生の新しい誰も見た事のないものを書こうという意気込みが現れていると思います。

「宇宙との関わりまで書いたのは続編からなので、それまではぜんぜん考えてなかった。最初に出したのでは(徳間版では)後半から考え始めたけど、絡めるのは無理だったのでその後の二編で書いた」らしいです。

小ネタとしては、鳩の名前に競争馬の名前が使われてることなど。

どうも鳩レースについて描かれてたりするようです。

作品中で社会保険制度について参考文献も色々読んでるみたいだし、すごくしっかり書かれてますねという聴者からの質問には、「理論武装の部分ほど作家はその部分が弱い。社会保険制度の部分は無知を隠すためにこそ、しっかり書いた。でもまあ、書くために詳しくなったけど(笑)」と素直な三島先生。なんといいますか好感が持てます(なんて偉そうに)。

最後に先生曰く「自分のことはクリエーターだと思っていて、文章以前に、今までにないものを作りたい。読者はないものはわりと求めてなくて、萌える展開とかそういうのを好んでると思うんですが、自分は斬新なものが好きなので」



安心して下さい先生、ダイナミックフィギュアは十分萌えるし、その上燃える展開だと思います!

なのでこれからも斬新で、SFらしい先鋭的な作品を書いていって下さい。期待して待ってます。

と、ちょっと良い感じにまとまったところで、一コマ目「三島浩司インタビュー」のレポートは終了です。

次は「クトゥルー神話の現在」に行くつもりですが、早くても土曜の更新になると思います。

遅くなって情けない限りですが、記事を読んでSFセミナーにいらっしゃった方も来れなかった方も楽しんで頂ければ幸いです。


※それなりに長い記事ですのでちょっとチェックが甘いかも知れません。誤字脱字もしくは内容に誤りがある場合は指摘して頂けるとありがたいです。

SFセミナー参加報告

さて、本当は当日に更新するつもりが6時間も爆睡してしまったので、こんな時間の更新となってしまいました(自分の馬鹿!)。



では先ずは、SFセミナー本会を目録に沿って、感想を少しずつ。


1、『上田早夕里さんインタビュー』


出演:上田早百合 聞き手:小谷真理


作家の上田早夕里先生に作品の傾向やイマジネーションの源泉について、SF評論家の小谷真理さんが対談形式を取ってインタビューしていくという形でした。

実は私、上田先生の著書を一冊も読んだ事が無く、セミナー当日までお名前すら知らなかったのです(申し訳ない……)。
と、いうのも、私は拾い読みが嫌いな性質で、もうほとんど生まれた時からひたすらSFを読み続けてはいるのですが、いかんせん全部読もうとしてしまう所為で未だに古典SFから抜け出せていないのです。

そんな僕ですが、これからは古典も読みつつ、新しい作家さんの作品も傑作選などを指標にして読んで行こうと決意した矢先でしたので、このインタビューでは上田先生の作品の魅力を語って貰えて非常に参考になりました。

まったく作品を知らない状態で拝聴していた対談でしたが、生命工学SFやら海洋SFやらと聞いて血が滾って参りました。

海洋SFと言うことで、対談の中では田中光二さんの作品に言及されていましたが、残念ながら新・太平洋戦記シリーズを小学生の時に読んだくらいだったのでちょっと分かりませんでした。

ただ、私が海洋SFと生命工学を合わせた日本の傑作として思い浮かぶのは、阿部公房の『第四間氷期』で、これは近いうちに地球の陸地が全て海の底に沈む事を知った科学者たちが人間の遺伝子を改造して、人魚を作り出し、陸地が消えた後は僅かに生き残った人間たちは人魚たちに保護されて生きる、という内容なのですが、これがまた素晴らしい。私が阿部公房を日本最高のSF作家の一人と確信している事もこの作品に依る部分が大きいくらいです。

個人的には印象的だったのは、上田先生が昆虫と海月の話をしてる時の様子でした。もう相当お好きなようで、相手の興味なんて関係なく楽しそうに喋ってらしたので、本当に好きなんだなぁ、と思ってしまいました。

私はもっとその趣味趣向の話を聞きたかったのですけれど、小谷さんはあまり興味が無いのか若干引き気味で聞いらっしゃったのも面白かったです。

とにかく、自分の好きな事を小説にしてらっしゃる感じが凄い伝わってきて、著作を読んだことの無い私もファンになってしまいました。今度、早速著作をお読みしたいと思います。



2、『乱視読者の出張講義―ジーン・ウルフ編』


出演:若島正


次の時間は、京大の若島正教授による事前情報の無いテクストの精読・理解の講義だったのですが、これがまた面白い。

今回はジーン・ウルフの『Bibliomen~Twenty-two Characters in search of a book~』という短編集の中の『Sir Gabriel』という短編のテクストを使用しての講義でした。

正直、最初に一ページ分の英語のテクストが配られた際に、普段洋書は辞書を引き引きようやく読んでいる私の事ですから、「ありゃあ、これは無理っぽい」と勝手に諦めムードに入っていたのですが、とりあえず読んでみると、幾つか分からない単語があったものの、アーサー王と円卓の騎士出てきた→サー・ゲイブリエルが主人公→何だか奥さんが出てきて現代になったぞ?→ハリー・アップドーフが亡くなった、くらいに死ぬほど大雑把には理解出来たので、とりあえず講義を聴きながら読み進める事が出来ました。

講義の中で若島先生が繰り返し言われていたのが、前評判のように一般的と言われる評価に左右されるのではなく、予備知識無く初めて読み解く事が本当の読書経験になるという事で、これは非常に納得できました。
私自身、出来るだけマイナーな作品を読む事を好むので、こういう読書経験をする機会は多そうなので、今回の講義は為になったと思えます。

この短編については詳しくは説明を省くので、この記事を読まれた方も予備知識無しに精読を行ってみる事をお勧めします。
一応、簡単なヒントを指標を示しておくなら、この作品には「現実的解釈」と「超現実的解釈」の二通りの解釈が可能であるという事です(若島教授の受け売り)。

ジーン・ウルフの作品には、自己言及のパラドックスを利用した作品が多くみられるという事も聞き、そういったタイプのSFが大好きな私は、ぶつぶつと独り言を唱えながら、にやにやしておりました。

ちなみに私、お勧めの自己言及パラドックスをギミックに利用した作品では、フィリップ・K・ディック『ユービック』や阿部公房『人間そっくり』、スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』があります。まあ、レムの”ソラリス~”だと、パラドックスがメインテーマでは無いので、ちょっと安易な方法で解決されてしまうのですが、どの作品も現代SFの傑作作品ですので、是非読んでみる事をお勧めします。

また、その後は教授の専門であるナボコフの話がちらっと出たり(私もナボコフ大好きなので、ちょっと興奮)、ジーン・ウルフの他の作品『デス博士の島その他の物語 (翻訳)』の話などを聞いて、普段ジーン・ウルフをあまり読まない私もジーン・ウルフの沢山の魅力を紹介してもらった形で、大変満足でした。

恐らく同じ内容の講義を大学でも行っておられるはずなので、興味のある方はヤングアイランド教授(講義を聞けば意味が分かるかも)の講義を聴きに京都大学まで遠征してみてはいかがでしょうか?

私もちょっと京都大学までのこのこ講義に潜り込みに行きたくなってしまいました。



3、『ミリタリーSFの現在』


出演:堺三保、岡部いさく


私が一番興奮してしまったのが、このミリタリーSFの現在という講演でした。出演のお二人がミリタリーSFについて古典から簡単に紹介しつつ、語るという内容なのですが、愉快痛快、同じミリタリーSFファンとして大いに爆笑させて頂きました。

私はミリタリSFが登場する前のスペオペもかなり読んでいるので(スターウルフ、レンズマン等)遡ったそういう話が出るだけで大興奮。

ミリタリーSFは言ってしまえば、中身はほとんど無くテンプレの熱い展開やマニアックなネタを楽しむ物とまで言い切る場面が多くありましたが、ファンとしてもその言には反論のしようもありません。

ただ、最近のミリタリーSFでは『老人と宇宙(そら)』シリーズはSFとしても骨太な物に仕上がっている事はお二人とも認めて下さっていたので、同シリーズの親子揃ってのファンとしては嬉しい限りでした。

あとは、ジャック・キャンベル『彷徨える艦隊』がお二人とも中々お気に入りでらっしゃるようで、貶しながらも楽しそうに語っておられました。

でも確かに、現代SFで上げられてた作品だと『老人と宇宙』シリーズを除けば一番面白いのは確かです(完全に私の独善ですが)。

しかも、イラストは寺田克也氏なので、内容にまったく興味がなくても(えっ!?)買う価値はあります。

他にも、何故ミリタリーSFが勃興しているのかについても、STやSWの終了(スタトレは絶対にオワコンじゃない!!!と、トレッキーとして力説)に伴う大量のノベライズ作家の余剰に求めたり、なかなか参考になる内容でした。

でも、『エンダーのゲーム』がミリタリーSFから外れるなら、『宇宙の戦士』や『老人と宇宙』もじゃね、とかツッコミたくなる私でしたが、そこは堺氏の判断なのでとりあえず理解はしておきます。

『宇宙の戦士』の本当に面白い所は、ジョニーとデュボア退役中佐の道徳哲学の話ですからね!(超力説)。なんと言っても、小学生の時に読んで影響を受けた子供が大学は哲学科に進学するくらいですから!(自分語り)。

他にも、ハンドアウトで紹介されてる作品はほぼ全部読んでるか積読かの私ですけど、90年代SFで紹介されている<スコーリア戦史>シリーズもまたちょっと毛色の違った作品ですね。

<スコーリア戦史>はストーリーは女性らしいロマンスメインのちょっとHな話なんですけど(これもやっぱりマセガキだった小学生の頃嵌まった)、作者が科学物理学の博士号と物理学の修士号を持っていて、しかも現在は研究機関の長をやっているというバリバリ現役の方なので、マジな理論を(工学的にはともかく理論的には可能が光速の縛りを脱する理論とか!)採用してその説明なんかも入ってくるのでハードなガチSF好きな方にも楽しめる内容となっております。

と、こんなに自分の好きな作品を熱く語りたくなってしまうような、素晴らしい講演でした(ミリタリーSFファンにとってはw)。



4、『SF Prologue Wave』発進!


出演:八杉将司、片理誠、YOUCHAN、高槻真樹、井上雅彦、増田まもる、小浜徹也 司会:大森望


中々、勢いのある題の新企画のお披露目でしたが、内容はちょっとアレでした(いきなり)。

初めのうちは、希望に満ちた(?)抱負のような事を語ってらっしゃった主催者の皆さんでしたが、司会の大森さんを初めとした出版関係者の厳しい視点からの意見に後半はぐだぐだ、かなり見ていて痛々しい感じでした。

まあ、かなりの正論を含む追及だった訳ですが、見ているファンの方は既に分かり切った業界の先細りの状況など耳も目も背けたい事柄なので、三分の一くらいの方々が睡眠モードに……。

檀上ではそれなりに激論が交わされていて、真剣に聞いてみれば中々為になる内容だったのですが、正直真面目に聞いていた私も「そんな事分かってるけど、聞きたくなかったよ……」って感じでした。

まあ何はともあれ、SFPW(語呂悪いな)の皆さんには頑張って業界を盛り上げていって欲しいです。という訳で下にURLを載せておきます!


http://prologuewave.com/


皆さんアクセスしときましょう。



と、今回が初参加のSFセミナーをこんな無駄に長い記事を書いてしまうほど、堪能しつくしてきました。

次回は、合宿にも参加したいと思うので一つには収まりきらないかも!?

次の更新は、SFファン交流会後になるかなー、と思います。

ここまで長文を読んで下さった方は有難う御座いました!

これからの法政大学SF・幻想文学研究会にご注目あれ!!

テーマ : 感想
ジャンル : 小説・文学

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めくるめくSFの世界へようこそ!

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